雲の分類表（2017年版）

2017年3月に改訂された新しい雲の分類表を以下に記します。
リンクをクリックすると、それぞれの種類について
解説ページを見ることができます。

2017年に追加された「新種の雲」の名前の扱いについて（作成中）

表の中で※は、2017年版で 新しく追加された部分だよ！

前バージョン（1975年版）とのちがい

2016年まで使われていた前バージョン（1975年版）からの
変更点を以下にまとめました。


類（10種雲形）

→従来通りで変更なし

種

（１）次の1種類が追加されました。

略号／ 国際名	俗称など	関係する 十種雲形	おもな特徴
vol volutus	ロール雲 roll cloud	高積雲 層積雲	ロールパンや横倒しにした電柱の ようなかたちの雲。何らかの理由で 回転する気流がつくりだす。

（２）層積雲に房状雲（flo）が追加されました。

変種

→従来通りで変更なし

補足雲形

次の5種類が追加されました。

略号／ 国際名	俗称など	関係する 十種雲形	おもな特徴
cav cavum	穴あき雲 ホールパンチ雲 hole-punch cloud	巻積雲 高積雲 層積雲	高積雲などの雲に大きな穴があく。 穴に氷晶のすじができることも
flu fluctus	波頭雲 cat's eye K-H波雲 浪雲 k-h wave cloud billow cloud	巻雲 高積雲 層積雲 層雲 積雲	ケルビン-ヘルムホルツ波という 風の波に、雲が巻きこまれた状態。 典型的なものは「日本画の波」が 並んだように見える
asp asperitas	荒底雲	高積雲 層積雲	雲の底が大きくうねり、 荒波のように見える状態 波頭の部分はとがることも。
mur murus	壁雲 棚雲 wall cloud	積乱雲	メソサイクロンに対応。 積乱雲の雲底の一部が一段低く、 スカート状に垂れこめながら ゆるやかに回転する
cau cauda	尻尾雲 tail cloud	積乱雲	壁雲の縁から横にのびる 黒くて細長いしっぽのような雲

付属雲

次の1種類が追加されました。

略号／ 国際名	俗称など	関係する 十種雲形	おもな特徴
flm flumen	流入帯雲 Beaver tail	積乱雲	発達した積乱雲に向かって 流れこむ大きな雲の帯。 壁雲よりも高い位置で 本体に積乱雲に接続する

Special clouds

今回新たにSpecial cloudsとして次の6種類が追加されました。

Special cloudsは、本来の雲とは異なるメカニズムで発生するもので、
雲の分類表では、母雲（mother-clouds）と同じ列内にまとめられています。

発生母雲（genitus）は、Special cloudsがそのまま発達→10種雲形の一部へ
変化母雲（mutatus）は、Special cloudsの性質が変化→10種雲形の一部へ

という意味合いがあります。

名　称	俗称など	成　因	10種雲形との関係
			発生	変化
熱対流雲 Flammagenitus	熱積雲	火災や噴火など 自然由来の熱	積雲 積乱雲	−
人為起源雲 Homogenitus	飛行機雲	人間活動由来。 飛行機由来巻雲も 人為起源雲の1種	巻雲 層雲 積雲 積乱雲	−
飛行機由来巻雲 Aircraft condensation trails	飛行機雲 航跡雲	飛行機の航行	−	−
飛行機由来変異雲 Homomutatus	−	飛行機雲の変化	−	巻雲 巻積雲 巻層雲
しぶき雲 Cataractagenitus	瀑布雲	滝つぼの気流	層雲 積雲	−
森林蒸散雲 Silvagenitus	−	森林からの蒸散	層雲	−