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トップページ天気のはなし細分類(付属雲)ちぎれ雲
   
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本体の雲の下に「ちぎれたような小雲」がいくつも発生した状態。
小雲は風でかき乱され、目に見える速さで動いていく
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ちぎれ雲の全体的なお話
高層雲や乱層雲、積雲、積乱雲に対して使われる細分類(付属雲)のひとつです。



上記のように本体の雲Aの下に、小雲(雲B)ができた状態です。

この小雲Bはまるで綿を引きちぎったような形をしており、形の変化、動きともに早く、みるみるうちに姿かたちを変えて流れていきます。

小雲Bは黒っぽい色をしていることが多く、動きが早いため、古くは猪に見立てて黒猪(くろっちょ)とも呼ばれました。また乱層雲の下を流れるものは、片乱雲とも呼ばれていました。

「ちぎれ雲」という名前自体は古くから知られており、一般には雲Bを指す言葉として使われる傾向があります。

ただし国際雲分類上は雲Bのことではなく、「本体の雲Aが小雲Bを伴っている状態」に対して使います。つまり本体の雲Aの目線で使われる名前なのです。

小雲Bそのものについては、層雲(または積雲)の断片雲として位置づけられています。
日本名
ちぎれ雲
ちぎれぐも
国際名
pannus pan
語 源
pannus
ラテン語で布切れ、断片、
ぼろきれ
の意味
別 名 黒猪
凝り雲
片乱雲(旧名)
断雲(旧名)
砕乱雲(旧名)
高層雲のちぎれ雲
片高層雲(旧名)
乱層雲のちぎれ雲
風吹乱層雲(旧名)
十種雲形
との関連
巻 雲
巻積雲
巻層雲
高積雲
高層雲
乱層雲
層積雲
層 雲
積 雲
積乱雲
各雲形ごとの説明
高層雲のちぎれ雲(Altostratus pannus:As pan

高層雲の下に「ちぎれたような雲(断片雲)」がいくつも流れる状態です。
「ちぎれたような雲(断片雲)」はふつう黒っぽい色をしています。

輪郭はボロボロで、形は不規則です。
雲の動きや形の変化はとても早く、
その様子が目ではっきり確認できます。

高層雲のちぎれ雲が出ているときに、
以下のような状態が確認できるときは、
雨の降り出しが近いかもしれません。

「ちぎれ雲」が大きくなり、数も増える。
雲の厚みが増して太陽が完全に隠れてしまう。
空気がジメジメとしてくる。
「雨の匂い(ペトリコールという物質の匂い)」がする。



乱層雲のちぎれ雲(Nimbostratus pannus:Ns pan

乱層雲の下に「ちぎれたような雲(断片雲)」がいくつも流れる状態です。
「ちぎれたような雲(断片雲)」はふつう黒っぽい色をしており、
輪郭はボロボロで、形も不規則です。雲の動きや形の変化はとても早く、
その様子が目ではっきり確認できます。

特に湿度が高いときは、「ちぎれ雲」が乱層雲の下を
完全に埋め尽くしてしまい、
どんよりと低く垂れこめたような空になります。



積雲のちぎれ雲(Cumulus pannus:Cu pan

積雲の下に「ちぎれたような雲(断片雲)」ができた状態です。
扁平雲や並雲には見られず、雄大雲の下に発生します。

「ちぎれたような雲(断片雲)」は、
ふつうは黒っぽい色をしていますが、
太陽の光が当たると、白っぽい色になることもあります。

  積雲のちぎれ雲は、とっても珍しいよ!



積乱雲のちぎれ雲(Cumulonimbus pannus:Cb pan

積乱雲の下に「ちぎれたような雲(断片雲)」ができた状態です。
「ちぎれたような雲(断片雲)」はどす黒い色で
地平線に届きそうなくらい低く、とても迫力があります。
また変化がとても早く、みるみるうちに姿かたちが変わっていきます。

「ちぎれたような雲(断片雲)」が次第にまとまり、
アーチ雲や壁雲、漏斗雲、ロール雲などに変化していくこともあります。

「ちぎれたような雲(断片雲)」の部分に
太陽の光が当たると、雲の色は白っぽく見えます。
2023年7月29日最終更新

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