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国際雲図帳(WMO刊行)に
掲載されている雲の細分類。
雲に部分的に生じた
特徴を表したもので、
6つの種類がある。
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■「補足雲形」とは?
補足雲形(supplementary features)は、
細分類のひとつで、雲に部分的に現われた特徴のことです。
雲分類の世界では、付属雲と補足雲形は、
ふつう、あわせて1つの区分として扱います。
分類表上もsupplementary features and accessory cloudsとして、
1つの項目にまとめられています。
付属雲と補足雲形をあわせた区分を、
日本名で副変種と呼ぶこともあります。
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■「補足雲形」の種類一覧
雲分類の「補足雲形」は、次の6種があります。
名前のリンクをクリックすると、それぞれの雲の解説ページに飛びます。
名称/
よみかた |
略号/
国際名
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俗称など
|
関係する
十種雲形 |
おもな特徴 |
かなとこ雲
かなとこぐも |
inc
incus |
朝顔雲
傘鉾雲 |
積乱雲 |
積乱雲の雲頂が平らに
なって、水平方向に広がり、
工具の「金床」を連想させる
形を示す状態。 |
乳房雲
にゅうぼううん |
mam
mamma |
ママタス
ちぶさ雲 |
巻雲
巻積雲
高積雲
高層雲
層積雲
積乱雲 |
雲底から垂れ下がる
丸みを帯びた雲のこぶ。 |
尾流雲
びりゅううん |
vir
virga |
尾引き雲
時雨雲 |
巻積雲
高積雲
高層雲
乱層雲
層積雲
積雲
積乱雲 |
降水が落下途中で蒸発し、
地表に届かない状態。
雲から「すじ」がのびたような
姿に見える。 |
降水雲
こうすいうん |
pra
praecipitatio |
視程内降水
雨の脚 |
高層雲
乱層雲
層積雲
層雲
積雲
積乱雲 |
雲からの降水が地表面に
到達した状態。
降水雲の真下では
雨や雪が降っている。 |
アーチ雲
あーちぐも |
arc
arcus |
アーククラウド |
積雲
積乱雲 |
積雲や積乱雲の雲底にできる
土手のような形の雲。
風のぶつかる場所に発生し、
突風を伴うことが多い。 |
漏斗雲
ろうとぐも |
tub
tuba |
|
積雲
積乱雲 |
積雲や積乱雲の雲底にできる
紐や漏斗のような形の雲。
竜巻は漏斗雲が地表面に
到達したもの。 |
表中にある名称は、日本語での正式名称です。
国際名は国際雲図帳に記載されている正式名称です。
この国際名はラテン語表記です。英語ではないので注意が必要です。
略号は、正式名称を簡易的に表記したもので、こちらもよく使われています。
俗称は、該当の細分類に対応すると考えられる呼び名を入れてあります。
「関係する十種雲形」は、補足雲形が、基本10種の雲のうち、
どの種類の雲に見られる可能性がある特徴なのかを表したものです。
たとえばアーチ雲(arc)は、基本10種のうち、
積雲(Cu)と、積乱雲(Cb)に部分的に現われる特徴です。
略号を使った表記方法は、他の細分類と同じで、
「基本10種」+「補足雲形」となります。
細分類の特徴が複数当てはまる場合は、
それらを順に列挙して、後ろにどんどんつなげていく形をとります。
【例】積乱雲(Cb)に、かなとこ雲(inc)と降水雲(pra)が見られる場合 Cb inc pra
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■十種雲形と「補足雲形」の関係
次の表は、十種雲形(基本の10種)と、そこに現われる
補足雲形の関係をあらわした一覧表です。
国際雲図帳では、付属雲と補足雲形について、
基本10種のどれに出現するかという表だけではなく、
もう少し詳しい状況について図示したものも掲載されています。
この表は、それをピックアップしてまとめたものです。
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巻 雲 |
巻 積 雲 |
巻 層 雲 |
高 積 雲 |
高 層 雲 |
乱 層 雲 |
層 積 雲 |
層 雲 |
積 雲 |
積 乱 雲 |
かなとこ雲 |
inc |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
S |
乳房雲 |
mam |
P |
P |
− |
P |
P |
− |
P |
− |
− |
P |
尾流雲 |
vir |
− |
P |
− |
P |
U |
U |
P |
− |
P |
P |
降水雲 |
pra |
− |
− |
− |
− |
P |
U |
P |
P |
P |
U |
アーチ雲 |
arc |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
P |
P |
漏斗雲 |
tub |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
P |
P |
記号凡例 |
U |
feature is usual |
ふつうに見られる |
|
P |
feature is possible |
見られる可能性がある |
|
S |
feature may occur
only at the summit
or upper portion
of yhe cloud |
雲頂または雲の上部
にだけ見られる |
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雲分類の基本的な考えかた |
現在、雲の分類は1975年に世界気象機関(WMO)が刊行した、
国際雲図帳(INTERNATIONAL CLOUD ATLAS)がもとになっています。
自然に発生するすべての雲は、大きく10種類のどれかに分類されます。
この10種類の分けかたが類(genera)で、雲分類の基本となっています。
日本では十種雲形などと呼ばれます。
そして、この基本の10種をもとに、種(specia)、変種(varieties)、
補足雲形(supplementary features)、付属雲(accessory clouds)の
4つの視点から、さらに細かい分類が行われています。
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類
genera |
基本の10種類。十種雲形 |
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細
分
類 |
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種
specia |
見た目で特徴的なかたち |
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変種
varieties |
雲の並びかた、厚さの状態を示したもの |
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補足雲形※
supplementary
features |
部分的に現われた特徴を示したもの |
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付属雲※
accessory
clouds |
親雲のまわりにできる特徴的な雲 |
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※注: 補足雲形と付属雲をあわせて副変種と呼ぶこともあります。 |
詳しくはこちら(作成中)をご覧くださいね。 |
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2015年9月27日最終更新 |