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雲分類の基本となる
10種類の分けかた。
一般に十種雲形と
呼ばれているもの。
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■類(十種雲形)とは?
対流圏(地表から高度約13kmまで)に浮かぶ雲のうち、
自然に発生したすべての雲は、
大きく10種類に分けることができます。
この10種類の分けかたが類(genera)で、
雲を分類するときの「基本」となっています。
類(genera)の分けかたは、十種雲形(※)と同じものです。
この基本の10種類をもとに、
さらに特徴的なかたちがあるときは、
オプションで細分類の名前がつけられることがあります。
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※注
雲の細分類の区分に「種(specia)」があるよ。
十種雲形と書くと、それとまぎらわしいので、
十類雲形または、十類雲級と
呼んだほうが良い、という考え方もあるよ。 |
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■類(十種雲形)の種類一覧
雲分類の「類」には、次の10種があります。
名前のリンクをクリックすると、それぞれの雲の解説ページに飛びます。
名 称・
よみかた |
略号・
国際名 |
俗称など |
記 号 |
巻雲
けんうん |
Ci
Cirrus |
すじぐも
シーラス、白簀雲、羽根雲、
真綿雲、つりばり雲、馬尾雲 |
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巻積雲
けんせきうん |
Cc
Cirrocumulus |
いわしぐも・うろこぐも
まだら雲、しわ雲、あばた雲、
泡雲、ちぢみ雲、かすり雲、
こっぱ雲、貝場雲、小河原雲 |
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巻層雲
けんそううん |
Cs
Cirrostratus |
うすぐも
水まさ雲 |
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高積雲
こうせきうん |
Ac
Altocumulus |
ひつじぐも・むらぐも
かわらけ雲、石垣雲、だんだら雲
雁の腹雲、さば雲 |
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高層雲
こうそううん |
As
Altostratus |
おぼろぐも |
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乱層雲
らんそううん |
Ns
Nimbostratus |
あまぐも・ゆきぐも
陰雲、五月雲 |
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層積雲
そうせきうん |
Sc
Stratocumulus |
くもりぐも・かさばりぐも
うね雲、寝雲 |
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層雲
そううん |
St
Stratus |
きりぐも
横雲、蛇雲、かすみ雲 |
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積雲
せきうん |
Cu
Cumulus |
わたぐも・つみぐも
すわり雲、凍雲、浮島雲、
入道雲、太郎雲 |
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積乱雲
せきらんうん |
Cb
Cumulonimbus |
かみなりぐも
立ち雲、入道雲、らいさま、夕立雲、
おに雲、太郎雲、朝顔雲、傘鉾雲 |
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表中にある名称は、日本語での正式名称です。
また、国際名は国際雲図帳に記載されている正式名称です。
この国際名はラテン語表記です。英語ではないので注意が必要です。
略号は、正式名称を簡易的に表記したもので、こちらもよく使われています。
俗称は、雲の「あだ名」のようなものです。
太字で記したものが、代表的な俗称で、ふつうに使われている呼び名です。
小さな文字で列記してあるものは、それ以外の呼び名です。
比較的知名度の低いもの、特徴的な雲に対して使われているもの、
地域限定で使われているものなどを入れてあります。
記号は、十種雲形を記号で記す場合に使われるものです。
日本ではあまり使われていませんが、国際雲図帳には記載されています。
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■類(十種雲形)の名前
類(十種雲形)の名前は、よく似ていて紛らわしいように感じますが、
その命名方法はとてもシンプルで、合理的なものになっています。
名前の漢字には共通する雲の特徴がこめられています。
この意味を知ることで、雲の名前を覚えやすくなるだけではなく、
名前を見ただけで、ある程度の特徴を思い浮かべることが
できるようになっています。
着目点 |
特 徴 |
日本名 |
国際名 |
雲の
浮かぶ
高さ |
高度5000〜13000m |
− |
− |
高度2000〜7000m |
高 |
alto- |
高度2000m以下 |
− |
− |
雲の
かたち |
すじ・繊維状 |
巻 |
cirrus
cirro-(※) |
もくもくと上へのびる |
積 |
cumulus
cumulo- |
水平にべたっと広がる |
層 |
stratus
strato- |
降水の
有無 |
降水あり |
乱 |
nimbus
nimbo- |
ふつう降水はない |
− |
− |
|
※注
巻積雲や巻層雲に使われるcirro-は、
本来は巻雲を意味するcirrusから変化したものだよ。
だけど、実用上は、巻雲と同じような高度(上層)に
発生する雲と読みかえても大丈夫だよ。 |
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■類(十種雲形)と雲の浮かぶ高さ
十種雲形に登場する10の雲の種類は、雲の浮かぶ高さに応じて、
大きく上層雲、中層雲、下層雲、対流雲の4つのグループに分けることもあります。
雲の浮かぶ高さは、緯度によって若干ずれがあるため、
熱帯域(Tropical Regions)、温帯域(Temperate Regions)、極域(Polar Regions)の
3つに分けて記されます。このホームページ内では、特に断りがない限り、
日本が属する温帯域について書きたいと思います。
上層雲(high level cloud)は、
高度5000〜13000m(熱帯:6000〜18000m、極域:3000〜8000m)付近に
浮かぶグループです。巻雲、巻積雲、巻層雲の3つがこれに該当します。
中層雲(middle level cloud)は、
高度2000〜7000m(熱帯:2000〜8000m、極域:2000〜4000m)付近に
浮かぶグループです。高積雲、高層雲、乱層雲の3つがこれに該当します。
ただし、ぶあつい高層雲では、雲頂が高度7000mを超えることがしばしばです。
乱層雲では、雲頂が高度7000m以上、雲底が2000m以下になることがしばしばです。
下層雲(low level cloud)は、
高度2000m以下(熱帯:2000m以下、極域:2000m以下)に
浮かぶグループです。層積雲、層雲の2つがこれに該当します。
層雲は、土地の起伏のある場所では、雲底が地表にまで達することもあります。
対流雲(convection cloud)は、対流によって発生する雲で、
発達するととても背が高くなります。
積雲、積乱雲の2つがこれに該当します。
従来、積雲、積乱雲は、下層雲に含められていましたが、
今は別枠として扱われることが多くなりました。
高 度 (m) |
−−−−−−−−対流圏界面−−−−−−−− |
|
↑ |
13000 |
○ |
○ |
○ |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
○ |
|
↑ |
12000 |
○ |
○ |
○ |
− |
− |
− |
− |
− |
↑ |
○ |
|
↑ |
11000 |
○ |
○ |
○ |
− |
− |
− |
− |
− |
↑ |
○ |
|
上 |
10000 |
○ |
○ |
○ |
− |
↑ |
↑ |
− |
− |
↑ |
○ |
|
|
9000 |
○ |
○ |
○ |
− |
↑ |
↑ |
− |
− |
↑ |
○ |
|
層 |
8000 |
○ |
○ |
○ |
− |
↑ |
↑ |
− |
− |
↑ |
○ |
↑ |
↓ |
7000 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
− |
− |
↑ |
○ |
↑ |
↓ |
6000 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
− |
− |
↑ |
○ |
中 |
↓ |
5000 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
− |
− |
↑ |
○ |
層 |
|
4000 |
− |
− |
− |
○ |
○ |
○ |
− |
− |
↑ |
○ |
↓ |
|
3000 |
− |
− |
− |
○ |
○ |
○ |
− |
− |
↑ |
○ |
↓ |
下 |
2000 |
− |
− |
− |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
層 |
1000 |
− |
− |
− |
− |
− |
↓ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
↓ |
500 |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
○ |
○ |
○ |
○ |
地表付近 |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
↓ |
− |
− |
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巻雲
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巻積雲
|
巻層雲
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高積雲
|
高層雲
|
乱層雲
|
層積雲
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層雲 |
積雲 |
積乱雲
|
上層雲
high level
cloud |
中層雲
middle level
cloud |
下層雲
low level
cloud |
対流雲
convection
cloud |
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雲分類の基本的な考えかた |
現在、雲の分類は1975年に世界気象機関(WMO)が刊行した、
国際雲図帳(INTERNATIONAL CLOUD ATLAS)がもとになっています。
自然に発生するすべての雲は、大きく10種類のどれかに分類されます。
この10種類の分けかたが類(genera)で、雲分類の基本となっています。
日本では十種雲形などと呼ばれます。
そして、この基本の10種をもとに、種(specia)、変種(varieties)、
補足雲形(supplementary features)、付属雲(accessory clouds)の
4つの視点から、さらに細かい分類が行われています。
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類
genera |
基本の10種類。十種雲形 |
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細
分
類 |
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種
specia |
見た目で特徴的なかたち |
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変種
varieties |
雲の並びかた、厚さの状態を示したもの |
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補足雲形※
supplementary
features |
部分的に現われた特徴を示したもの |
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付属雲※
accessory
clouds |
親雲のまわりにできる特徴的な雲 |
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※注: 補足雲形と付属雲をあわせて副変種と呼ぶこともあります。 |
詳しくはこちら(作成中)をご覧くださいね。 |
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2015年10月6日最終更新 |