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国際雲図帳(WMO刊行)に
掲載されている雲の細分類。
雲の厚さ、並びかたで、
特徴があるものについて
9種類ピックアップされている。
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■「変種」とは?
変種(varieties)は、細分類の分けかたの区分のひとつです。
雲の特徴のうち、おもに、配列(並びかた)、厚さについて着目した分類です。
雲の配列に着目したものとして、もつれ雲、波状雲、放射状雲、二重雲など、
雲の厚さに着目したものとして、半透明雲、不透明雲があります。
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■「変種」の種類一覧
雲分類の「変種」は、次の9種があります。
名前のリンクをクリックすると、それぞれの雲の解説ページに飛びます。
名称/
よみかた |
略号/
国際名
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俗称など
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関係する
十種雲形 |
おもな特徴 |
もつれ雲
もつれぐも |
in
intortus |
ほつれ雲 |
巻雲 |
巻雲のうち、すじの向きや形がバラバラで、規則性が見られないもの。 |
肋骨雲
ろっこつうん |
ve
vetrebratus |
羽根雲 |
巻雲 |
巻雲のうち、肋骨や羽根を連想させる配列になったもの。 |
波状雲
はじょううん |
un
undulatus |
水まさ雲・さば雲
波状高積雲
うね雲 |
巻積雲
巻層雲
高積雲
高層雲
層積雲
層雲 |
雲片が波のように規則正しく等間隔に並んだもの。
しま模様に見えることが多い。
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放射状雲
ほうしゃじょううん |
ra
radiatus |
アブラハムの樹
クラウドストリート |
巻雲
高積雲
高層雲
層積雲
積雲 |
雲の並びが放射状に広がって見える状態。遠近効果による目の錯覚がそのような見え方を引き起こす。 |
蜂の巣状雲
はちのすじょううん |
la
lacunosus |
|
巻積雲
高積雲
層積雲 |
雲の多数の穴が開いたもの。典型例では、まるで蜂の巣のような形になる。 |
二重雲
にじゅううん |
du
duplicatus |
問答雲
雲の喧嘩 |
巻雲
巻層雲
高積雲
高層雲
層積雲 |
同じ雲形の雲が、2つ以上の異なる高さに浮かんだ状態。
地表からは、それぞれの雲が重なって見える。
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半透明雲
はんとうめいうん |
tr
translucidus |
おぼろ雲 |
高積雲
高層雲
層積雲
層雲 |
雲が比較的薄く、その上の太陽や月、空などが透けて見える状態。 |
すき間雲
すきまぐも |
pe
perlucidus |
晴れ間 |
高積雲
層積雲 |
雲片と雲片の間が接しておらず、すき間がある状態。 |
不透明雲
ふとうめいうん |
op
opacus |
高曇り |
高積雲
高層雲
層積雲
層雲 |
雲に厚みがあり、その上の太陽や月、空などが完全に遮られてしまう状態。 |
表中の「名称」は、日本語での正式名称です。
国際名は国際雲図帳に記載されている正式名称です。
この国際名はラテン語表記です。英語ではないので注意が必要です。
略号は、正式名称を簡易的に表記したもので、こちらもよく使われています。
俗称は、該当の細分類に対応すると考えられる呼び名を入れてあります。
「関係する十種雲形」は、「変種」が、基本10種の雲のうち、
どの種類の雲に見られる可能性がある特徴なのかを表したものです。
たとえば不透明雲(op)は、基本10種のうち、
高積雲(Ac)、高層雲(As)、層積雲(Sc)、層雲(St)で見られる特徴です。
略号を使った表記方法は、他の細分類と同じで、
「基本10種」+「変種」となります。
細分類の特徴が複数当てはまる場合は、
それらを順に列挙して、後ろにどんどんつなげていく形をとります。
【例】高積雲(Ac)で、半透明雲(tr)、すき間雲(pe)が見られる場合 Ac tr pe
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■十種雲形と「変種」の関係
次の表は、十種雲形(基本の10種)と、
そこに現われる変種の関係をあらわした一覧表です。
十種雲形と変種の組み合わせで、
あり得るものについて○をつけてあります。
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巻 雲 |
巻 積 雲 |
巻 層 雲 |
高 積 雲 |
高 層 雲 |
乱 層 雲 |
層 積 雲 |
層 雲 |
積 雲 |
積 乱 雲 |
もつれ雲 |
in |
○ |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
肋骨雲 |
ve |
○ |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
波状雲 |
un |
− |
○ |
○ |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
− |
− |
放射状雲 |
ra |
○ |
− |
− |
○ |
○ |
− |
○ |
− |
○ |
− |
蜂の巣状雲 |
la |
− |
○ |
− |
○ |
− |
− |
○ |
− |
− |
− |
二重雲 |
du |
○ |
− |
○ |
○ |
○ |
− |
○ |
− |
− |
− |
半透明雲 |
tr |
− |
− |
− |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
− |
− |
すき間雲 |
pe |
− |
− |
− |
○ |
− |
− |
○ |
− |
− |
− |
不透明雲 |
op |
− |
− |
− |
○ |
○ |
− |
○ |
○ |
− |
− |
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雲分類の基本的な考えかた |
現在、雲の分類は1975年に世界気象機関(WMO)が刊行した、
国際雲図帳(INTERNATIONAL CLOUD ATLAS)がもとになっています。
自然に発生するすべての雲は、大きく10種類のどれかに分類されます。
この10種類の分けかたが類(genera)で、雲分類の基本となっています。
日本では十種雲形などと呼ばれます。
そして、この基本の10種をもとに、種(specia)、変種(varieties)、
補足雲形(supplementary features)、付属雲(accessory clouds)の
4つの視点から、さらに細かい分類が行われています。
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類
genera |
基本の10種類。十種雲形 |
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細
分
類 |
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種
specia |
見た目で特徴的なかたち |
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変種
varieties |
雲の並びかた、厚さの状態を示したもの |
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補足雲形※
supplementary
features |
部分的に現われた特徴を示したもの |
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付属雲※
accessory
clouds |
親雲のまわりにできる特徴的な雲 |
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※注: 補足雲形と付属雲をあわせて副変種と呼ぶこともあります。 |
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2015年10月2日最終更新 |