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☆わぴちゃんのブログ☆
草花・昆虫、雲の話題など、
「身近な自然の小さな発見」を
テーマに頑張ってます☆★

かなとこ雲【かなとこぐも】

別名や俗称 朝顔雲・傘鉾雲・アンビル
英名 anvil cloud
わぴちゃん流遭遇率・・・★★★☆☆

国際雲分類での表記 incus (略号inc)
積乱雲(Cb)で見られる雲形

発達した積乱雲の上部が
すーっと左右に広がった形の雲
積乱雲は、強い上昇気流によって
上へ上へともくもく発達していきます。

ところが、高度10km前後のところには
対流圏界面と呼ばれる部分が存在します。
対流圏界面は、対流圏と成層圏の境界のことで、
目には見えませんが、雲にとっては壁のような存在で、
どんなに発達した積乱雲でも、これを超えることはできません。

そうすると、行き場を失った上昇気流は横へと広がります。
その結果できた雲形がかなとこ雲です。


かなとこ雲の「かなとこ」は金床で、
鍛冶屋さんが金属加工をするときに行う作業台のことです。
その作業台に雲の形がにているので「かなとこ雲」と名前がつけられました。

「かなとこ」はこんな形の工具だよ。



【写真1】逆三角形のようにも見える(2012年8月17日茨城県坂東市)


【写真2】夕方の空に出たかなとこ雲(2010年7月22日千葉県野田市)


【写真3】巨大な雲で広角撮影でも収まらない(2010年7月24日茨城県境町)


ただし、スケールが大きいため部分的にしか見えないことが多かったり、
かなとこ雲を生じた積乱雲の周囲に
小さな積雲や積乱雲がまとわりついていることも多く、
なかなか、教科書的な形のかなとこ雲の形にはならないものです。

それでも、無毛積乱雲の段階ではもくもくとしていた雲が、
かなとこ雲の段階になると、滑らかになって、
反り返るようなカーブを描くようになります。




【写真4】かなとこ雲のできはじめ(2010年7月18日長野県千曲市)


かなとこ雲の中でも、形のよいものは
朝顔の花を横から見た姿に似ているので
朝顔雲」という別名があるよ。


【写真5】夜のかなとこ雲(2010年7月23日・茨城県境町)

夏の夜、大気の状態が不安定で雷雲が多発しているような時に空を見ると、
稲妻がぞわぞわっと這うように音もなく横に走っていくのを見ることがあります。
これはかなとこ雲の雲底を走る雲間放電の一種で
アンビル・クロウラー」と呼ばれます。
アンビル=かなとこ雲、クロウラー=横に這うものという意味です。


2012年9月5日最終更新
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