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トップページ天気のはなし類(十種雲形)層積雲
   
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低い空に浮かぶため、ひとつひとつの雲塊は大きく迫力がある。
雲塊の大きさ、形、色はさまざまで、色ムラや陰影も目立つ。
もっと写真を見る(※作成中)
 
層積雲の全体的なお話
対流圏下層(2,000m以下)のところに浮かび、十種雲形の中では一番よく見かける雲です。低いところに浮かぶ…つまり、地上から比較的近いところにある雲であるため、ひとつひとつの雲の塊は大きく、圧迫感があります。ふつう水滴でできています。

雲の塊の大きさ、形、色はさまざまです。まるでロールパンのように細長い雲が何本も並んだり、多数の石やタイルを敷き詰めたように広がったりすることもあります。

曇り空のときによく見られることから「くもりぐも」といい、そして層積雲による曇り空は重苦しい感じがすることから「かさばりぐも」とも呼ばれています。また、ロールパンのように細長い雲が何本も並んだ状態を畑のうねに見立て、「うねぐも」とも呼ばれます。

雲はふつう立体感が強く、凹凸がはっきりしています。また色ムラや陰影も目立ちます。とらえどころのない雲ではありますが、その分見た目のバリエーションが豊かです。

層積雲のうち、比較的薄いものは、太陽や月の近くを通過するとき、光環や彩雲になることがあります。

また層積雲は雨や雪、雪あられを降らせることがあります。ただし量は少なく、水たまりができるほどではありません。
日本名
層積雲 そうせきうん
俗 称 くもりぐも
かさばりぐも
別 名 →別ページへ(※作成中)
国際名
Stratocumulus Sc
高 度
2,000m
以下
極域
2,000m以下
熱帯
2,000m以下
色の幅
陰 影 あり
雲の粒
氷晶 氷粒 水滴
光の
現象
ハ ロ
光 環
彩 雲
降 水
霧 雨
霧 雪
雪あられ
ひょう
氷あられ
凍 雨
発 雷
層積雲の細分類について 
層積雲には、5つの種(層状雲、レンズ雲、塔状雲、房状雲、ロール雲)
7つの変種(半透明雲、すきま雲、不透明雲、二重雲、
波状雲、放射状雲、蜂の巣状雲)

6つの補足雲形(尾流雲、乳房雲、降水雲、波頭雲、荒底雲、穴あき雲)
存在が認められています。付属雲はありません。

なおロール雲波頭雲荒底雲穴あき雲
国際雲図帳2017年版で新たに追加された細分類の種類です。

また房状雲は、細分類の種類としては以前から存在したものですが、
2017年版で新たに層積雲の細分類としても適用されることとなりました。

  層積雲は十種雲形の中で
もっとも細分類の種類が多いよ

以下、それぞれの雲の名前の横にあるマークをクリックすると
各細分類のページに飛びます(※マークの無いものは準備中)
種(specia)
層状雲(stratiformis)
小雲が平たく広がり、
紙や薄い板のように見える
レンズ雲(lenticularis)
レンズやアーモンドのような形で、
雲全体の輪郭はくっきりしている
塔状雲(castellanus)
雲の上部がもくもくと立ち上がった状態
塔や西洋の城壁のように見える
房状雲(floccus)
個々の小雲は丸みを帯び、
雲下部の輪郭は不規則にばらける
ロール雲(volutus)
ゆるやかに回転する気流がつくる
円柱を横倒しにしたような雲
変種(varieties)
半透明雲(translucidus)
雲が比較的薄く、太陽や月、青空が
雲を通して透けて見える状態
すきま雲(perlucidus)
雲片と雲片の間が離れていて、
すき間がはっきり確認できる状態
不透明雲(opacus)
雲に厚みがあり、太陽や月、青空を
完全に遮ってしまう状態
二重雲(duplicatus)
高さの異なる層積雲どうしが
重なって見える状態
波状雲(undulatus)
雲片が等間隔に並んで、
しま模様に見える状態
放射状雲(radiatus)
遠近効果の影響で
雲が放射状に広がって見える状態
蜂の巣状雲(lacunosus)
多数の小さな穴が空いて、
蜂の巣や網目のような見た目になる
補足雲形(supplementary features)
尾流雲(virga)
小雲から尾(降水すじ)がのびる。
降水は地上には到達しない
乳房雲(mamma)
雲底に雲のこぶが
いくつもぶら下がった状態
降水雲(praecipitatio)
雲からの降水(雨、雪、凍雨)が
地上に到達している状態
波頭雲(fluctus)
ケルビン-ヘルムホルツ波の影響で
くるんと巻いたような波が並ぶ
荒底雲(asperitas)
雲底が不規則に波打ち、
うねってでこぼことした状態になる
穴あき雲(cavum)
雲に大きな穴が開いた状態。
穴の部分に氷晶の雲ができることも
付属雲(accessory clouds)
※なし 
 
層積雲の母雲とSpecial clouds
層積雲の発生母雲になるものとして
高層雲、乱層雲、積雲、積乱雲が挙げられます。

高層雲や乱層雲は、雲底の近くにある湿った空気によって
層積雲ができることがあります。

積雲は、雲の中上部が横へと広がりながら成長し、
層積雲をつくることがあります。

また上空の強い風で積雲が傾き、それが横に広がって
層積雲となることもあります。

昼間、日射によって地面付近の空気が強く暖められると
対流が発生して積雲ができます。
夕方になり日が傾くと、この対流はおさまり積雲の成長も止まります。
この積雲がくずれるように横に広がり、層積雲になることがあります。
このようにしてできた層積雲は、古くは夕暮れ層積雲と言いました。

積乱雲の側面、あるいは積乱雲の近くに
層積雲ができることがあります。

  積乱雲のまわりにある層積雲の中には
まだ積雲だった頃にできたものも多いよ。

雲分類では、積乱雲のまわりにあるものは
すべてSc cbgenとするよ。

まだ積雲だった頃にできたものであっても
Sc cugenではなく、Sc cbgenとするんだ

層積雲の変化母雲になるものとして
高積雲、乱層雲、層雲が挙げられています。

高積雲は、ひとつひとつの小雲が大きくなって、
層積雲へと変化することがあります。

乱層雲は、雨のやみ際に雲がばらけて
層積雲へと変化することがあります。

層雲は上昇しながら次第に層積雲へと姿を変えることがあります。
また雲の浮かぶ高さ自体は変わらずとも、対流などの影響で
性質が層積雲へと変化していくこともあります。

以下、それぞれの雲の名前または写真をクリックすると
各細分類のページに飛びます(※準備中)
発生母雲(genitus)
高層雲から発生
(altostratogenitus ; asgen)
高層雲の雲底付近にある
湿った空気でできる層積雲
乱層雲から発生
(nimbostratogenitus ; nsgen)
乱層雲の雲底付近にある
湿った空気でできる層積雲
積雲から発生
(cumulogenitus ; cugen)
積雲がさまざまな理由で
横に広がって層積雲ができる
積乱雲から発生
(cumulonimbogenitus ; cbgen)
積乱雲がさまざまな理由で
横に広がって層積雲ができる
変化母雲(mutatus)
高積雲から変化
(altocumulomutatus ; acmut)
ひとつひとつの雲片が
大きくなって層積雲に変化
乱層雲から変化
(nimbostratomutatus ; nsmut)
雨がやむとき、次第に雲が
ばらけていって層積雲に変化
層雲から変化
(stratomutatus ; stmut)
雲の上昇や、対流などの影響で
層積雲へと変化
 
層積雲が関係する「雲の状態」
雲の状態は、空に浮かぶ雲全体を俯瞰して、記号で表す方法です。
森林に例えると、個々の木について判断するのが十種雲形と細分類なのに対し、
森林全体の状況を総合的に判断するのが「雲の状態」です。

雲の状態では、上層雲(CH中層雲(CM下層雲(CLの3つに分けて表記し、
層層雲は下層雲のひとつとして組み込まれています。

記 号 CL= 説   明
2 中程度に発達した積雲または雄大積雲
他の積雲や層積雲があってもよい
3 無毛積乱雲。頂部は巻雲状、かなとこ状になっていない
積雲、層積雲、層雲があってもよい
4 積雲が広がってできた層積雲。
積雲があってもよい
5 積雲からの変化ではない層積雲
8 積雲と層積雲の共存。
層積雲は積雲からの変化ではない
9 多毛積乱雲。頂部は巻雲状でかなとこ状のことも多い
無毛積乱雲、積雲、層積雲、層雲があってもよい
2024年7月17日最終更新

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