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トップページ天気のはなし細分類(変種)二重雲
   
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同じ雲形の雲が、2つ以上の異なる高さに浮かんだ状態
地表からは、それぞれの雲が重なって見える
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二重雲の全体的なお話
高さの異なる場所に浮かんでいる2つ以上の雲が、重なって見える状態を二重雲と言います。

巻雲や巻層雲、高積雲、高層雲、層積雲に対して使われる変種のひとつです。

名前は二重ですが、必ず2層とは限らず、3層、4層…と、複数の層が重なっていることもあります。

なお、二重雲と呼ぶのは、同じ雲形どうしが重なっているものだけです。ちがう雲形どうしが重なっている場合は、二重雲とは呼びません。

二重雲は1889年、Mazeによって巻雲のそれが報告されたのが最初です。続いて1908年、De Quervainが高層雲の二重雲を報告、その後巻層雲と高積雲、層積雲に対しても使われるようになり、現在に至ります。


日本名
二重雲
にじゅううん
国際名
duplicatus du
語 源
duplicareの過去分詞
ラテン語で2倍、繰り返し、二重の何かを表現したもの
別 名 重なり雲
巻雲の二重雲
網目雲
巻層雲の波状雲・二重雲
うす綾雲
高積雲の二重雲
二層高積雲(旧名)
複高積雲 (旧名)
高層雲の二重雲
二層高層雲(旧名)
層積雲の二重雲
二層層積雲(旧名)
レンズ雲の積み重ね
多重レンズ雲
ピル・ダシェット
雲形問わない(NOT 二重雲)
雲の喧嘩
問答雲
交ぜ雲
十種雲形
との関連
巻 雲
巻積雲
巻層雲
高積雲
高層雲
乱層雲
層積雲
層 雲
積 雲
積乱雲
二重雲ではない雲の重なり
 二重雲は2つ以上の雲が、高さのちがうところに浮かんでいて、地上から見たときそれが重なって見える状態を指すものです。

ただし、二重雲と呼ぶのはあくまで、同じ雲形(十種雲形)どうしである場合です。

例えば高度4000mに浮かぶ高積雲と、高度6000mに浮かぶ高積雲が重なって見えるような場合です。

一方で、巻積雲と積雲が重なって見えるなど、雲形が異なる雲どうしの場合は、二重雲とは呼びません。

なお、雲形に関係なく、高さの異なる場所に浮かんだような雲を藤原咲平博士は交ぜ雲と表現しています。

そして交ぜ雲のうち、高さによって雲の動く方向が異なるものは、古くから雲の喧嘩、あるいは問答雲といい、天気の悪くなる前触れとして言い伝えられてきました。
各雲形ごとの説明
巻雲の二重雲(Cirrus duplicatus:Ci du

高さの異なるところに発生した巻雲が重なって見える状態です。
雲のすじの向きが異なっている場合は分かりやすく、
まるで織物のようにクロスして見えます。

なお、国際雲図帳2017によると、
巻雲の毛状雲(fib)、それから巻雲の鈎状雲(ci unc)は、
個々の雲のすじの高さが少しずつ異なっているため、
二重雲に該当するとされています。


巻層雲の二重雲(Cirrostratus duplicatus:Cs du
高さの異なる場所に発生した巻層雲が
下から見たときに重なって見える状態です。

もともと巻層雲は輪郭のはっきりしないぼんやりとした雲であるため、
仮に二重雲になっていたとしても、
地上からそれを確認するのはなかなか難しいものです。

ただ波状雲や毛状雲など、模様がある巻層雲どうしであれば、
その重なりが分かることがあります。


高積雲の二重雲(Altocumulus duplicatus:Ac du
高さの異なる場所に現れた高積雲どうしが重なって見える状態です。
高積雲の層状雲(Ac str)と、高積雲のレンズ雲(Ac len)で見られる変種です。

高積雲のレンズ雲・二重雲(Ac len du)は、
レンズ雲が積み重なった「多重レンズ雲」という形になります。
詳しくは、こちらをご覧ください。


高層雲の二重雲(Altostratus duplicatus:As du
高さの異なる場所に現れた2層以上の高層雲が重なって見える状態です。
ただ高層雲の場合、空の広範囲をべったりと覆う雲であるため、
二重雲として確認できるのは稀で、めずらしい雲と言えます。

高層雲の縁にあたる部分で見られる可能性があります。


層積雲の二重雲(Stratocumulus duplicatus:Sc du
高さの異なる場所に現れた2つの層積雲が重なって見える状態です。
層積雲は低いところに現れる大きな雲のかたまりであるため、
層積雲どうしの重なりがはっきりと分かるのは稀と言えます。
レンズ雲の積み重ね
細分類の「種」のひとつであるレンズ雲(lenticularis)は、
ときにその上にレンズ雲がいくつも乗っかったような姿になることがあります。

このような積み重なったような状態になったレンズ雲を
多重レンズ雲(multi-layered lenticular clouds)といいます。

  海外ではピル・ダシェット(Pile d'assiettes)
とも呼ばれているよ
これは積み重ねたお皿という
意味があるんだよ!

これも少しずつ高さの異なるレンズ雲が重なっている状態なので、
国際雲図帳の雲分類では、二重雲の1タイプとして扱われます。


例えばこの写真は、十種雲形(類)としては高積雲(Altocumulus)で、
細分類では「」がレンズ雲(lenticularis)
変種」が二重雲(duplicatus)に当てはまります。

そのためこの雲を国際雲図帳の雲分類にもとづいて表記すると・・・

高積雲レンズ雲二重雲
Altocumulus lenticularis duplicatus(略号:Ac len du

となります。
2024年8月13日最終更新

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