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トップページ天気のはなし細分類(変種)蜂の巣状雲
   
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雲の多数の穴が開いたもの。蜂の巣や網目のような模様になる
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蜂の巣状雲の全体的なお話
雲に多数の穴がブチブチと開いて、まるで蜂の巣や網目のような姿になったものを蜂の巣状雲(lacunosus)といいます。巻積雲と高積雲、層積雲に見られる変種です。

雲が消滅する過程で現れやすいもので、できた穴は少しずつ大きく広がっていきます。やがて穴どうしが接すると、その境目の部分の雲は残り、まるで網目のような姿になります。

最後は網目の部分も破けたり、ばらけたりするようにして消えていきます。

蜂の巣状雲のような「小さな隙間があるタイプの雲」は、1903年にVincentによって初めて記されました。当初はlacunarと呼ばれ、巻雲と巻積雲、巻層雲に見られるタイプとされました。

その後、このタイプの雲について検討が重ねられ、1930年にはlacunarisの名で、巻積雲と高積雲に対して使われるようになりました。

1951年、CCH(Committee for the Study of Clouds and Hydrometeors)によりlacunarisから現在のlacunosusへと変更されました。そして、国際雲図帳1956年版に巻積雲と高積雲、層積雲の変種として記載され、そのまま現在に至ります。

国内では石丸雄吉『雲の寫眞と圖解』(1954年)に孔穴高積雲(Alto-cumulus Corrosus)の写真が掲載されており、これはまさに今でいう蜂の巣状雲と同じものです。同じ本の中で巻層雲にできたものについては孔蝕巻層雲(Cirro-stratus Corrosus)と名づけられている旨を記しています。ここでいう孔蝕巻層雲は、現在の雲分類でいう巻積雲の蜂の巣状雲に相当すると考えられます。

伊藤洋三(1958)はlacunosusに対して網目という和名を当てています。
日本名
蜂の巣状雲
はちのすじょううん
国際名
lacunosus la
語 源
lacunosus
ラテン語で穴、溝の意味
別 名 孔蝕雲(旧名)
網目(旧名)
巻積雲の蜂の巣状雲
孔蝕巻積雲(旧名)
孔蝕巻層雲(旧名)
孔蝕巻雲(旧名)
高積雲の蜂の巣状雲
蜂の巣高積雲(旧名)
孔蝕高積雲(旧名)
孔穴高積雲(旧名)
層積雲の蜂の巣状雲
蜂の巣層積雲(旧名)
十種雲形
との関連
巻 雲
巻積雲
巻層雲
高積雲
高層雲
乱層雲
層積雲
層 雲
積 雲
積乱雲
各雲形ごとの説明
巻積雲の蜂の巣状雲(Cirrocumulus lacunosus:Cc la

巻積雲の蜂の巣状雲は、まるで穴が細かくて
まるでスポンジのように見えることが多いものです。
ふつう形の変化が早くあっという間にばらけてしまいます。


高積雲の蜂の巣状雲(Altocumulus lacunosus:Ac la

高積雲の蜂の巣状雲は、巻積雲に比べると穴が大きく見える傾向があります。
ただ、巻積雲か高積雲かの判別が難しいケースも少なくありません。
やはり形の変化が早く、あっという間にくずれてしまいます。


層積雲の蜂の巣状雲(Stratocumulus lacunosus:Sc la

層積雲の蜂の巣状雲はあまり見られないため、
レアな雲と言えます。

層積雲は大きく厚みがある雲なので、
穴が上まで完全に貫通せずに、
雲が薄くなる(=色が明るく見える)程度のことが多いものです。
蜂の巣状雲のバリエーション
発生初期の蜂の巣状雲

蜂の巣状雲のできはじめのころは、
多数の小さな穴がプチプチと開いたような姿をしています。

巻積雲や高積雲が消えていく過程で現れやすく、
これらの小さな穴は次第に数が増え、また個々の穴も大きくなり、
蜂の巣や網目を連想させる姿になります。
網目状に残った部分も最後はばらけるように消えていきます。
2025年2月4日最終更新

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