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色やかたちのバリエーションが豊富。
典型的なものは、多数の小雲が集まって、小石を敷き詰めたよう。
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高積雲の全体的なお話
 対流圏中層(2,000〜7,000m)に浮かび、典型的なものは、たくさんの小さな雲(小雲)を敷き詰めたような姿になります。この姿は「羊の群れ」に見立てられ、「ひつじぐも」の名前で親しまれています。sheep cloudという英語名もあります。

 とはいえ、高積雲はきわめてバリエーション豊かな雲で、典型的な「ひつじぐも」の姿は、その一面を見ているにすぎません。

 個々の小雲は白色〜灰色で、ふつう陰影があります。パッと見巻積雲に似ているものの、小雲の大きさは視半径1〜5度と大きめです。判断に迷うときは、腕をのばして小指を立て、小雲に当ててみます。高積雲は小指から大きくハ乱すくらいの大きさがあります。一方の巻積雲は小指の中にすっぽりと納まります。

 雲はおもに水滴でできていますが、しばしば氷晶が混じります。

 高積雲が太陽の近くにあるときは、光環や彩雲ができることがあります。また小雲と小雲のすき間から差し込んだ光が、薄明光線となって目に見えることがあります。

 高積雲は降水を伴うことがあるものの、地表に到達する前に蒸発してしまいます。そのため地上にいて高積雲からの降水を直接肌で感じることはありませんが、尾流雲という形で降水の軌跡を見ることはできます。
日本名
高積雲 こうせきうん
俗 称 ひつじぐも
むらぐも
別 名 →別ページへ(※作成中)
国際名
Altocumulus Ac
高 度
2,000-
7,000
m
極域
2,000-4,000m
熱帯
2,000-8,000m
色の幅
陰 影 ふつうあり
雲の粒
氷晶 氷粒 水滴
光の
現象
ハ ロ
光 環
彩 雲
降 水
霧 雨
霧 雪
雪あられ
ひょう
氷あられ
凍 雨
発 雷
高積雲の細分類について 
高積雲には、5つの種(層状雲、レンズ雲、塔状雲、房状雲、ロール雲)
7つの変種(半透明雲、すきま雲、不透明雲、二重雲、
波状雲、放射状雲、蜂の巣状雲)
、そして、
5つの補足雲形(尾流雲、乳房雲、穴あき雲、波頭雲、荒底雲)
存在が認められています。

付属雲はありません。

なお、ロール雲穴あき雲波頭雲荒底雲
国際雲図帳2017年版で新たに追加されたものです。

以下、それぞれの雲の名前の横にあるマークをクリックすると
各細分類のページに飛びます(※マークの無いものは準備中)
種(specia)
層状雲(stratiformis)
小雲が平たく広がり、
紙や薄い板のように見える
レンズ雲(lenticularis)
レンズやアーモンドのような形で、
雲全体の輪郭はくっきりしている
塔状雲(castellanus)
雲がもくもくと立ち上がった状態。
個々の塔状雲の幅は視半径1度未満
房状雲(floccus)
個々の小雲は丸みを帯び、
雲下部の輪郭は不規則にばらける
ロール雲(volutus)
回転する気流の影響を受け
細長いロールパンのようになったもの
変種(varieties)
半透明雲(translucidus)
雲が比較的薄く、太陽や月、青空が
雲を通して透けて見える状態
すきま雲(perlucidus)
雲片と雲片の間が離れていて、
すき間がはっきり確認できる状態
不透明雲(opacus)
雲に厚みがあり、太陽や月、青空を
完全に遮ってしまう状態
二重雲(duplicatus)
高さの異なる高積雲どうしが
重なって見える状態
波状雲(undulatus)
雲片が等間隔に並んで、
しま模様に見える状態
放射状雲(radiatus)
遠近効果の影響で
雲が放射状に広がって見える状態
蜂の巣状雲(lacunosus)
多数の小さな穴が空いて、
蜂の巣や網目のような見た目になる
補足雲形(supplementary features)
尾流雲(virga)
小雲から尾(降水すじ)がのびる。
降水は地上には到達しない
乳房雲(mamma)
雲底に小さな雲のこぶが
いくつもぶら下がった状態
穴あき雲(cavum)
雲に大きな穴が開いた状態。
穴の部分に氷晶の雲ができることも
波頭雲(fluctus)
ケルビン-ヘルムホルツ波の影響で
くるんと巻いたような波が並ぶ
荒底雲(asperitas)
雲底が不規則に波打ち、
うねってでこぼことした状態になる
付属雲(accessory clouds)
※なし 
 
高積雲の母雲とSpecial clouds
高積雲の発生母雲になるものとして
積雲と積乱雲が挙げられています。

積雲は、上部が横に広がるようにして高積雲ができることがあります。

また積雲が上に向かって成長する過程で、
上空に「安定した層」があると、成長がいったんとまります。
その後、積雲がこの安定した層を突破して再び成長しはじめると、
この部分に高積雲ができることがあります。

積乱雲の側面には、よく細長い高積雲がまとわりついています。
これは積乱雲がまだ積雲だったときにかたちづくられたもので、
古くは雲の横閂(よこぬき)と呼ばれました。

  積雲時代につくられた高積雲でも、
観察した時点で積乱雲になっていれば、
積乱雲から発生した高積雲(cbgen)
として記録するよ

高積雲の変化母雲になるものとして
巻積雲、高層雲、乱層雲、層積雲が挙げられています。

巻積雲は雲片が大きくなり、厚みを増して、
高積雲へと姿を変えることがあります。

高層雲や乱層雲は時間とともに性質が変化して、
高積雲へと姿を変えることがあります。

層積雲は雲片が細かく分かれて
高積雲へと姿を変えることがあります。

以下、それぞれの雲の名前の横にあるマークをクリックすると
各細分類のページに飛びます(※マークの無いものは準備中)
発生母雲(genitus)
積雲から発生(1)
(cumulogenitus ; cugen)
積雲の上部が横に広がって
できた高積雲
積雲から発生(2)
(cumulogenitus ; cugen)
成長中の積雲が、上空の安定層を
突破したときにできる高積雲
積乱雲から発生
(cumulonimbogenitus ; cbgen)
積乱雲の成長過程で発生した高積雲。
ふつう積乱雲の側面に見られる
変化母雲(mutatus)
巻積雲から変化
(cirrocumulomutatus ; ccmut)
雲片が大きくなったり、
厚みを増したりして高積雲に変化
高層雲から変化
(altostratomutatus ; asmut)
高層雲の性質が次第に変化して、
高積雲になったもの
乱層雲から変化
(nimbostratomutatus ; nsmut)
乱層雲の性質が次第に変化して、
高積雲になったもの
層積雲から変化
(stratocumulomutatus ; scmut)
層積雲の雲片が細かく分かれて
高積雲へと変化したもの
 
高積雲が関係する「雲の状態」
雲の状態は、空に浮かぶ雲全体を俯瞰して、記号で表す方法です。
森林に例えると、個々の木について判断するのが十種雲形と細分類なのに対し、
森林全体の状況を総合的に判断するのが「雲の状態」です。

雲の状態では、上層雲(CH中層雲(CM下層雲(CLの3つに分けて表記し、
高積雲は中層雲のひとつとして組み込まれています。

記 号 CM= 説   明
3 半透明高積雲。1層で全天は覆っていない
4 半透明高積雲。1層または2層以上。全天は覆っていない
ふつうレンズ状だが形は絶えず変化
5 帯状の半透明高積雲、または1層以上の連続的な高積雲
次第に空に広がり厚くなる
6 積雲または積乱雲が広がってできた高積雲
7 不透明高積雲、または広がらない2層以上の半透明高積雲
または高層雲か乱層雲を伴う半透明高積雲
8 塔状または房状の高積雲
9 混沌とした空の高積雲。ふつう、複数の層をなす
2024年7月15日最終更新

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