サイト概要 サイトマップ 著作権・引用・リンク お問い合わせ

トップページ天気のはなし大気光象ハロ(かさ現象)
   
最新情報はツイッター
ブログなどもご確認ください。


 
 
 
 

各種お問い合わせは
メール
でお願いいたします。
こちらもご一読ください。

ハロ(かさ現象)とは?
空気中に氷晶(小さな氷の結晶)がたくさん漂っていると、
太陽や月から差し込む光の一部が、氷晶によって屈折・反射させられます。

その屈折・反射した光がつくりだす現象を
総称して
ハロ(halo phenomena)と言います。
日本では
かさ現象とも呼ばれ、かさの漢字表記は「暈」です。

ちなみにハロの代表とも言えるのが
内がさ(22度ハロ)です。
内がさは太陽や月を中心とした「光の円」という形で現れます。
この「光の円」が現れた状態を『太陽(月)がカサをかぶる』と言います。

  巻層雲や巻雲が出ているときは、
季節に関係なく、観察のチャンスだよ!
厳冬期は、氷晶でできた積雲の縁や、
細氷発生時に観察できることもあるよ
 おもなハロの種類と出現位置
氷晶のかたちや光の当たりかたなどの条件によって、
さまざまな種類のハロが現れます。

その形や出現位置は、ハロの種類や太陽高度によって異なります。

多くのハロが、白っぽい光の円弧であるものの、
中には虹のように色鮮やかなものもあります。

また、同じ種類のハロでも、太陽高度で、
その円弧の形状や出現位置が変わってくるものもあります。

出現するハロの種類は1種類のみのこともありますが、
複数の種類が同時に現れることも珍しくありません。
また時間差で次々と何種類ものハロが見られることもあります。

複合的に現れるハロ(※作成中)

以下の図は、主なものについてその位置関係と種類を表したものです。
太陽側の空に現れるハロの位置関係を示した図
※図は概略です。精密な計算結果によるものではありません。

出現頻度の高いハロの多くは、太陽側の空に現れますが、
中には太陽と反対側の空に現れるものもあります。


空全体におけるハロの位置関係を示した図

図は天頂(空のてっぺん)を中心にして魚眼レンズで写したイメージです。概略図で、精密な計算結果によるものではありません。
氷晶の形状(おもなもの)
ハロのもとになる氷晶のかたちには、いくつかのタイプがあり、
その代表的が、
角板(平たい六角柱)角柱(細長い六角柱)です。

底面は六角形で、基本形は正六角形ですが、
正六角形では無い六角形のものもあります。

また稀に十二面体や二十面体の氷晶が見られることもあり、
ピラミッド型結晶(pyramidal crystals)と呼ばれることがあります。

ピラミッド型結晶があると、9度ハロ、13度ハロなど
特有のハロが見らるため、これらはまとめて
ピラミッド型氷晶ハロ(pyramidal crystal halos)と呼ばれています。

角板(板状)
plate
角柱(鉛筆状)
column
ピラミッド型結晶
pyramidal
六角柱 六角柱 十二面体
または二十面体
幻日
幻日環
環天頂アーク
環水平アーク
太陽柱 など
内がさ
外がさ
上端接弧/下端接弧
ラテラルアーク
幻日環 など
9度ハロ
13度ハロ
18度ハロ
20度ハロ
35度ハロ など

角板や角柱は、回転しながら浮遊していることもあります。
回転する氷晶の回転軸の向き
 ハロの種類一覧
次の表は、ハロの種類をまとめたものです。
名称は一般的な日本名と英名を併記してあります。
日本名は、書籍によって表記にばらつきがありますが、
比較的浸透していると思われるものを1つ選び、
それ以外のものは「別名など」として扱いました。
なお、浸透している呼び名でも、
直訳に近いカタカナ名は俗称扱いにしたものもあります。

名前のリンクをクリックすると、
それぞれの現象の解説ページに飛びます。(※作成中)
名称/
英語名
別名など 備  考
内がさ
22 halo
22度ハロ
日がさ
太陽がかさをかぶる
太陽を中心とした光の円。
視半径約22度
破れがさ…断片的なもの
月がさ(内がさ)
lunar halo
22度ハロ
月がかさをかぶる
月を中心とした光の円。
視半径約22度
外がさ
46 halo
46度ハロ 太陽や月を中心とした光の円。
視半径約46度
幻日
parhelion/sun dogs
小日(こひ、こび) 太陽の左右、視半径約22度に
できる虹模様の光のかたまり。

複数形…parhelia
幻月
paraselene
- 月の左右、視半径約22度に
できる虹模様の光のかたまり。
複数形…paraselenae
44度幻日※1
44 parhelia
- 太陽や月の左右、
視半径44度の位置にできる
上端接弧
upper tangent arc
上部タンジェントアーク 視半径約22度。太陽や月の上方、
内がさの上端に接する弧
下端接弧
lower tangent arc
下部タンジェントアーク 視半径約22度。太陽や月の下方、
内がさの下端に接する弧
外接ハロ
circumscribed halo
楕円環
外接環
上端接弧と下端接弧が
つながった状態
環天頂アーク
circumzenithal arc
天頂環
逆さ虹
環天頂弧
天頂弧
太陽の上方、
視半径約46度にできる
虹色の光の弧
カーンアーク※1
kern arc
- 天頂を中心にした円で、
環天頂アークへとつながる
環水平アーク
circumhorizontal arc
水平弧
水平環
太陽の下方。
視半径約46度にできる
まっすぐな虹のような光の弧
幻日環
parhelic circle
- 太陽、幻日、向日点を通り、
空を1周する円
幻月環
paraselenic circle
- 幻日環の夜版。
月の光によってできる
ブルースポット※1
bluespot
- 幻日環の一部
(向日点付近)が青く色づく
120度幻日
120 parhelia
120度光点 幻日環の軌道上、視半径
約120度のところにできる光点
向日
anthelion
反対幻日 向日点にできる白い光点
上部ラテラルアーク
supralateral arc
接線弧
傍切弧
外がさの上部に接する位置に
出現する虹色の光の弧
下部ラテラルアーク
infralateral arc
接線弧
傍切弧
外がさの下部に接する位置に
出現する虹色の光の弧
パリーアーク
parry arc
パリーの弧 弧の形状による細分(A):
(A-1)sunvex型
(A-2)suncave型
出現位置による細分(B):
(B-1)上部パリーアーク
(B-2)下部パリーアーク
ローウィッツアーク
lowitz arc
ローウィッツ弧
内がさ傍切弧
弧の形状による細分:
(1)上部-(upper-)
(2)中部-(middle-)
(3)下部-(lower-)
太陽柱
sun pillar
サンピラー 太陽光が、
上下に長く伸びた状態
月柱
moon pillar
ムーンピラー
月光柱
月光が、
上下に長く伸びた状態
金星の光柱※1
venus pillars
金星の光が、
上下に長く伸びた状態
光柱
light pillar
ライトピラー 照明等の光が、
上下に長く伸びた状態

漁火光柱…光源が漁火
向日アーク
anthelic arc
反対幻日弧 形状などによる細分:
(1)hastings arc
(2)wegener arc
(3)tricker arc
(4)diffuse arcs
モイラネンアーク※1
molianen arc
太陽と上端接弧の間にできる
V字の光の弧
太陽アーク
heliac arc
太陽を×字に貫く弧
(※1)…適切な日本名が存在せず、便宜的な呼び名をあてているもの。
地平線下にできるハロ
ハロの中には、地平線よりも低い位置に出現するものもあります。
平坦な場所でこれらを見ることは難しいですが、
航空機の窓や、標高の高いところから、
地面を見下ろすような形になったとき、観察できることがあります。

名前のリンクをクリックすると、
それぞれの現象の解説ページに飛びます。(※作成中)
名称/
英語名
特徴など
映日
subsun
太陽の下方、地平線下の位置に現われる。
とてもまぶしい光の塊
映幻日
subparhelia
映日の左右に現われる光の塊。
地上の幻日に対応
映幻日環
subparhelic circle
映日、映幻日を貫く白い光の弧。
地上の幻日環に対応
映環天頂アーク(※1)
subcircumzenithal arc
地平線下のハロで、地上の環天頂アークに対応
(※1)…適切な日本名が存在せず、便宜的な呼び名をあてているもの。

地平線下にできるハロの位置関係を示した図
※図は概略です。精密な計算結果によるものではありません。
その他のハロ
その他、特殊なしくみでできるハロや
詳細不明なものを以下にリストアップしました。

名前のリンクをクリックすると、
それぞれの現象の解説ページに飛びます。(※作成中)

名称/
英語名
特徴など
楕円ハロ(※1)
elliptical halo
太陽や月のすぐ近くに出る縦長の楕円形のハロ。
視半径のちがいから次の2つに区分される

シュレジンガーの暈…タテ約7度、ヨコ約4度
ヒシンクの暈…タテ約10度、ヨコ約5度
ピラミッド型氷晶ハロ(※1)
pyramidal crystal halos
ピラミッド型多面体(ふつう20面体)の
氷晶によるハロ。

9度ハロ(視半径9度の光の円)が比較的多い。
他に視半径18度、20度、23度、35度などがある
水平暈
ground halo
広範囲に降りた霜の結晶や
雪の表面霜などによってできるハロ
90度幻日(※1)
90 parhelia
幻日環の軌道上、視半径90度の位置にできる
白っぽい点。ただし、詳細は不明。
(※1)…適切な日本名が存在せず、便宜的な呼び名をあてているもの。
大気現象の種類と記号
ハロを表す大気現象の記号は2つです。
個々の種類ごとではなく、太陽(日中)か月(夜間)かで分けられています。

日のかさ
solar halo
日中、太陽光がつくりだすハロ現象。
氷晶による光の屈折・反射が原因
月のかさ
lunar halo
夜間、月光がつくりだすハロ現象
氷晶による光の屈折・反射が原因
2023年5月2日最終更新

Copyright (C) 2002- wapichan(Hideaki Iwatsuki), All rights reserved.