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地面付近のさまざまなものに、空気中の水蒸気が凍りつく |
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霜とは?
霜(hoar erost)は空気中の水蒸気が
直接凍ってできた小さな氷の結晶です。
草や土、窓ガラス、氷、雪面など、
地面付近にあるさまざまなものにつく可能性があります。
水面から水蒸気が次々と供給される水辺では、
霜の結晶が大きく発達する傾向があります。
霜柱は土の中にある水が凍結してできるもので、
名前こそ似ていますが、霜とはまったく別の現象です。
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最低気温が4℃を下回ると、
霜が降りるかもしれないよ! |
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霜の結晶型
霜の結晶ひとつひとつを拡大して観察してみると、
その形の多様さに驚かされます。
結晶の形を決める要素は 気温や湿度だけでしはなく、
周囲の環境、霜が付着する物の性質など、
さまざまな要素が複雑に関係していると考えられます。
霜の結晶型は、わぴちゃんが観察している範囲では、
針型、角柱型、杯型(コップ型)、釣鐘型、角板型、
羽毛型、羊歯葉型、六花型の8つの類型に大別できます。
そして、複数の結晶型が同時に見られることも珍しくありません。
また、いくつかの結晶型が組み合わされたようなものや、
中間的な姿をしたものもあります。
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針型 |
結晶の先が鋭く尖っている結晶 |
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角柱型 |
六角柱の形をした結晶。杯型と連続していて線引きは難しい |
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杯型(コップ型) |
六角錐形の結晶で、杯やワイングラスのように見える |
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釣鐘型 |
ベルや釣鐘のような形をした結晶 |
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角板型 |
六角形の平たい形をした結晶 |
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羽毛型 |
緻密な模様の平たい結晶。ふつう扇形に広がる |
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羊歯葉型 |
結晶の先が鋭く尖っている結晶 |
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六花型 |
雪の結晶や梅の花のような形の平たく大きな結晶 |
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霜に関連するさまざまな現象
霜に関連する現象を以下にまとめます。
名称/
英語名 |
別名など |
備 考 |
霜
hoar frost |
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フロストフラワー
frost flower |
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氷上にできる白いポンポンのような霜 |
氷につく霜※
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水たまりなどに張った氷の縁、裏側などに発達する霜の結晶 |
窓霜
window hoar |
霜華
霜羊歯 |
窓ガラスについた霜 |
表面霜
surface hoar |
木の葉雪 |
積もった雪の上にできる霜 |
花ぼろ
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温泉地の川など、温かい水から蒸発する水蒸気が凍りついてきる霜。
advection hoar frostの一型か |
樹霜
air hoar |
木花
霧氷(※総称) |
霧氷のひとつ。大気中の水蒸気が樹木に昇華凝結してできる樹の霜 |
露霜
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水霜 |
露などの水分が凍ってまるで霜のように見えるもの |
※は、現象名が存在せず、便宜的な呼び名をあてているものです。
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霜に関する大気現象記号
霜に関係する大気現象記号を紹介します。
これらの記号は、世界気象機関(WMO)の国際雲図帳2017年版と、
気象庁(日本)の地上気象観測指針に掲載されています。
ただし現象の種類によっては、
国際雲図帳(WMO)と地上観測指針(気象庁)とで、
記号や意味に以下のようなちがいが見られるので、
利用の際は注意が必要です。
記 号 |
和名/
国際名 |
説 明 |
気象庁 |
WMO |
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霜(総称)
hoar frost |
大気中の水蒸気が昇華してできた氷の結晶の総称。hoar frost properとadvection hoar frostの2つのタイプがある |
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霜
hoar frost/
hoar frost proper
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大気中の水蒸気が昇華してできた氷の結晶で、主に地面付近にできたもの |
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移流による霜
advection hoar frost |
温泉の湯気など、暖かく湿った空気が流れこむ場所で成長した霜の結晶。 |
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樹霜
air hoar |
大気中の水蒸気が昇華してできた氷の結晶で、樹木など高いところに凍りついたもの |
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霧氷
fog deposit |
樹霜、樹氷、粗氷の3つを総称したもの |
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2024年2月3日最終更新 |