乱層雲の全体的なお話
低気圧や温暖前線などに伴ってできるいわゆる「あまぐも」で、長い時間しとしとと雨を降らせ続けます。とても分厚くて、大きな広がりを持つ雲です。数百km単位の広がりを持つため、地上から見えているのは、そのごく一部に過ぎません。雲の全容をつかむためには、気象衛星を使った宇宙からの観察が必要です。
雲の主体が対流圏中層(2,000〜7,000m)にあることから中層雲に分類されています。ただ雲はとても分厚いため、下部は500mくらい、上部は10,000mくらいまでにおよんでいることも珍しくありません。
雲の構成粒子は、氷晶、雪の結晶、雪片(いくつかの雪の結晶が絡み合ったもの)、水滴からなります。季節やそのときの気温分布にも左右されますが、一般に雲の上部は氷晶主体で、中・下部は雪の結晶、雪片、水滴が多く存在しています。
地上から見た乱層雲は、空全体をべっとりと覆う灰色の雲で、しばしば雲の下を黒っぽいちぎれ雲が流れています。この雲に覆われると昼間でも薄暗くなります。
ふつうは高層雲が厚みを増して、次第に乱層雲へと変化していくかたちとなります(Ns asmut)が、ときに高積雲や層積雲から乱層雲へと変化することもあります。
乱層雲からの雨は、しとしとと長く降り続けるのが特徴で、このような降りかたをする雨を地雨(じあめ)といいます。
乱層雲の降水は、雪片をベースにしており、これが融けずにそのまま落ちてくれば雪、途中で融けて水滴として落ちてくれば雨、中途半端に融けて水滴と雪片が混在した状態で落ちてくればみぞれとなります。
また、雪片が融けていったん雨粒(水滴)となった後、落下中に再凍結して、透明な氷の粒となって降ってくることがあります。これを凍雨といいます。
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日本名 |
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俗 称 |
あまぐも
ゆきぐも |
別 名 |
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国際名 |
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高 度 |
500-
10,000m |
極域 |
500-10,000m |
熱帯 |
500-10,000m |
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色の幅 |
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陰 影 |
あり |
雲の粒 |
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光の
現象 |
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降 水 |
雨 |
○ |
霧 雨 |
− |
雪 |
○ |
霧 雪 |
− |
雪あられ |
− |
ひょう |
− |
氷あられ |
− |
凍 雨 |
△ |
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発 雷 |
− |
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