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トップページ天気のはなし類(十種雲形)乱層雲
   
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しとしと雨を長い時間降らす分厚い雲。
この雲に覆われると昼間でも薄暗くなる
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乱層雲の全体的なお話
低気圧や温暖前線などに伴ってできるいわゆる「あまぐも」で、長い時間しとしとと雨を降らせ続けます。とても分厚くて、大きな広がりを持つ雲です。数百km単位の広がりを持つため、地上から見えているのは、そのごく一部に過ぎません。雲の全容をつかむためには、気象衛星を使った宇宙からの観察が必要です。

雲の主体が対流圏中層(2,000〜7,000m)にあることから中層雲に分類されています。ただ雲はとても分厚いため、下部は500mくらい、上部は10,000mくらいまでにおよんでいることも珍しくありません。

雲の構成粒子は、氷晶、雪の結晶、雪片(いくつかの雪の結晶が絡み合ったもの)、水滴からなります。季節やそのときの気温分布にも左右されますが、一般に雲の上部は氷晶主体で、中・下部は雪の結晶、雪片、水滴が多く存在しています。

地上から見た乱層雲は、空全体をべっとりと覆う灰色の雲で、しばしば雲の下を黒っぽいちぎれ雲が流れています。この雲に覆われると昼間でも薄暗くなります。

ふつうは高層雲が厚みを増して、次第に乱層雲へと変化していくかたちとなります(Ns asmut)が、ときに高積雲や層積雲から乱層雲へと変化することもあります。

乱層雲からの雨は、しとしとと長く降り続けるのが特徴で、このような降りかたをする雨を地雨(じあめ)といいます。
乱層雲の降水は、雪片をベースにしており、これが融けずにそのまま落ちてくれば雪、途中で融けて水滴として落ちてくれば雨、中途半端に融けて水滴と雪片が混在した状態で落ちてくればみぞれとなります。
また、雪片が融けていったん雨粒(水滴)となった後、落下中に再凍結して、透明な氷の粒となって降ってくることがあります。これを凍雨といいます。
日本名
乱層雲 らんそううん
俗 称 あまぐも
ゆきぐも
別 名 →別ページへ(※作成中)
国際名
Nimbostratus Ns
高 度
500-
10,000
m
極域
500-10,000m
熱帯
500-10,000m
色の幅
陰 影 あり
雲の粒
氷晶 氷粒 水滴
光の
現象
ハ ロ
光 環
彩 雲
降 水
霧 雨
霧 雪
雪あられ
ひょう
氷あられ
凍 雨
発 雷
乱層雲の細分類について 
乱層雲には3つの補足雲形(尾流雲、降水雲、乳房雲)と、
1つの付属雲(ちぎれ雲)の存在が認められています。

種と変種はありません。

以下、それぞれの雲の名前の横にあるマークをクリックすると
各細分類のページに飛びます(※マークの無いものは準備中)
種(specia)
※なし 
変種(varieties)
※なし 
補足雲形(supplementary features)
尾流雲(virga)
小雲から尾(降水すじ)がのびる。
降水は地上には到達しない
降水雲(praecipitatio)
雲底に小さな雲のこぶが
いくつもぶら下がった状態
付属雲(accessory clouds)
ちぎれ雲(pannus)
雲の下に「断片状の雲」が
流れている状態
 
乱層雲の母雲とSpecial clouds
乱層雲の発生母雲になるものとして
積雲、積乱雲が挙げられています。

積乱雲は、時間の経過とともに横に広がりながら、
乱層雲へと姿を変えることがあります。

積雲の場合、稀ですが、降水を伴う雄大雲が
横に広がりながら乱層雲へと姿を変えることがあります。

乱層雲の変化母雲になるものとして
高積雲、高層雲、層積雲が挙げられています。

いずれも次第に厚みを増すかたちで、
乱層雲へと変化していくことがあります。

  乱層雲の多くは、
高層雲が厚くなってできたものだよ

以下、それぞれの雲の名前または写真をクリックすると
各細分類のページに飛びます(※準備中)
発生母雲(genitus)
積雲から発生
(cumulogenitus ; cugen)
降水を伴う積雲の雄大雲が
横に広がってできた乱層雲
積乱雲から発生
(cumulonimbogenitus ; cbgen)
積乱雲が横に広がって
できた乱層雲
変化母雲(mutatus)
高積雲から変化
(altocumulomutatus ; acmut)
高積雲が次第に厚みを増して
乱層雲に変化したもの
高層雲から変化
(altostratomutatus ; asmut)
高層雲が次第に厚みを増して
乱層雲に変化したもの
層積雲から変化
(stratocumulomutatus ; scmut)
層積雲が次第に厚みを増して
乱層雲に変化したもの
 
乱層雲が関係する「雲の状態」
雲の状態は、空に浮かぶ雲全体を俯瞰して、記号で表す方法です。
森林に例えると、個々の木について判断するのが十種雲形と細分類なのに対し、
森林全体の状況を総合的に判断するのが「雲の状態」です。

雲の状態では、上層雲(CH中層雲(CM下層雲(CLの3つに分けて表記し、
乱層雲は中層雲のひとつとして組み込まれています。

また、乱層雲の下を流れる「ちぎれ雲」については、
下層雲のCL-9があてはまります。

記 号 CM= 説   明
2 不透明高層雲(半分以上が不透明)または乱層雲
7 不透明高積雲、または広がらない2層以上の半透明高積雲
または高層雲か乱層雲を伴う半透明高積雲

記 号 CL= 説   明
7 悪天候時の断片層雲、または断片積雲
2023年5月28日最終更新

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