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大気じん象とは?
大気現象は大きく次の4つに分けられます。
おもに関係するもの おもな現象の例
大気水象
hydrometeors
雪氷現象、降水現象、
霧、露 など
大気光象
photometeors
ハロ、光環、彩雲、
虹、薄明光線 など
大気じん象
lithometeors
ちりやほこりなど
乾燥した微粒子
煙霧、黄砂、風じん、
降灰、じん旋風 など
大気電気象
electrometeors
大気中の電気 雷、エルモ火 など

大気じん象(lithometeors)は、
空気中をただよう乾燥した微粒子が
引き起こす現象をまとめたものです。

この微粒子の種類はさまざまで、
地面から巻き上げられた土ぼこりのほか、
物が燃えたときに発生する煙、花粉、
火山の噴火に伴う火山灰などが挙げられます。

また、ばい煙や排ガスなどの大気汚染物質や、
それが空気中で変化してできた光化学オキシダントなど、
人間活動に伴って放出されたものも含まれます。
大気じん象について調べる
調べたい項目のリンクをクリックすると
それぞれの解説ページに飛びます。
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 現象名(日本名)
/英名など
 説 明  備 考
煙霧
haze
ごく小さなちりやホコリなど、
乾燥した微粒子が漂っていて、
空がかすんで見える状態。
-
ちり煙霧
dust haze
風じんによって巻き上げられた
土ぼこりが空を漂っている状態。
明らかに風じんが原因と
分かる場合のみ
黄砂
yellow sand
大陸の砂漠地帯の砂が強風で
巻き上げられ、広域に漂った状態
-

smoke
燃焼の煙が原因で空がかすみ
見通しが悪くなった状態
煙の発生源が
明らかな場合のみ
降灰
ash fall
噴火で吹き上げられた火山灰が、
徐々に降ってくる現象
-
風じん
drifting and blowing dust
乾燥・強風によって土ぼこりが
巻き上げられる現象
-
砂じんあらし
dust storm
土ぼこりが強い風によって、
空高く、激しく吹き上げられる
-
じん旋風
dust whirl
つむじ風によって土ぼこりが
柱状に持ち上げられる現象
-

その他の大気じん象、あるいは関連する現象など
現象名(日本名)
/英名など
説 明 備 考
スモッグ
smog
霧と煙霧が同時に発生した状態 -
光化学スモッグ
urban ozone/
photochemical smog
大気汚染物質が紫外線で
化学反応を起こして
「光化学オキシダント」となり、
それが漂った状態
気象観測では煙霧として
記録(視程の基準あり)
煙霧層
haze layer
焚き火など煙が、接地逆転層に
閉じ込められて横にたなびく現象
-
怪雨
-
花粉、黄砂、小動物などが
雨といっしょに降ってくる現象
正式な気象用語ではない
泥雨
-
黄砂の混じった雨 正式な気象用語ではない
黒風
-
空を暗くするほどの砂じんあらし 正式な気象用語ではない
かすみ(霞)
-
遠くの空が何となくかすんだ状態。
気象用語ではないので、
視程などの明確な基準はない
正式な気象用語ではない

以下は大気光象ですが、ちりやほこりなどの
乾燥した微粒子が原因となって起きるものです。
乾燥した微粒子が引き起こす大気光象
現象名(日本名)
/英名など
説 明 備 考
花粉光環
pollen corona
スギなどの花粉が原因で
発生する光環
-
風じんによる光環
sand corona
空気中をただよう土ぼこりが
原因で発生する光環
-
ビショップ環
bishop's ring
噴火に伴う火山灰が原因で
発生する光環
-
煙の薄明光線
smoke rays
空中にただよう煙が原因で
光の筋(薄明光線)が見える状態
-
風じんの薄明光線
sand rays
空気中にただよう土ぼこりが原因で
光の筋(薄明光線)が見える状態
-
大気じん象に関する記号
大気じん象(lithometeors)を表す記号を紹介します。
これらの記号は、世界気象機関の国際雲図帳2017年版と、
気象庁(日本)の地上気象観測指針に掲載されていて、
その種類と意味はおおむね統一されています。

ただ、
黄砂降灰の記号は、気象庁のみが採用、
ダストウォールの記号は、世界気象機関のみが採用しています。

記号 和名/
国際名
説  明
煙霧
haze
ごく小さなちりやホコリなど、
乾燥した微粒子が漂っていて、
空がかすんで見える状態。
ちり煙霧
dust haze
風じんによって巻き上げられた
土ぼこりが空を漂っている状態。
※風じんが原因と分かる場合のみ
黄砂
yellow sand
大陸の砂漠地帯の砂が強風で
巻き上げられ、広域に漂った状態
-

smoke
燃焼による煙が原因で
空がかすんだ状態。
※煙の発生源が明らかな場合のみ
降灰
ash fall
噴火で吹き上げられた火山灰が、
徐々に降ってくる現象
-
風じん
drifting and
blowing dust
乾燥・強風によって土ぼこりが
巻き上げられる現象
低い風じん
drifting dust
風じんのうち、目線の高さの
見通しにほとんど影響はない。
高い風じん
blowing dust
風じんのうち、目線の高さの
見通しが非常に悪いもの
砂じんあらし
dust storm
土ぼこりが強い風によって、
空高く、激しく吹き上げられる
ダストウォール*
wall of dust
背の高い砂じんあらしの壁。
日本ではほとんど見られない
-
じん旋風
dust whirl
つむじ風によって土ぼこりが
柱状に持ち上げられる現象
*は正式な日本語名が存在しないため便宜的な呼称を入れています。

ダストウォールは砂漠の現象で、
日本ではまず見られないよ。
そのこともあってか、今のところ
正式な日本語名は見当たらないよ。
「天気」との関係
雲の種類や量、風、降水、大気現象、視程など、
気象観測によって得られるさまざまな要素。
これらをもとにして大気の状態を総合的に判定したものが天気です。

大気じん象として挙げられるさまざまな大気現象は、
天気の種類を決めるための判材料のひとつに過ぎません。

天気の分類にはいくつか考え方がありますが、以下の3つが代表的です。

主な用途や特徴 種類数
気象庁天気種類表 現場で使いやすいよう15種類に厳選 15
日本式天気記号 ラジオの気象通報用に特化。
日本では一般でも広く使われる
21
国際式天気記号 国際基準の地上気象観測に
基づき天気を細かく記録
100

国内で主に使われるのは気象庁天気種類表と
日本式天気記号による天気の表記です。
ただ両者は天気の定義に若干のちがいがありますので、注意が必要です。

以下、大気じん象と天気の関係を示します。
気象庁天気種類表
No. 記 号 天気  大気じん象の種類    
5 煙霧
6 砂じんあらし

日本式天気記号
記 号 天 気  大気じん象の種類    
煙霧
砂じんあらし
ちり煙霧

煙霧の視程の基準は、
気象庁天気種類表1km未満
日本式天気記号
2km未満だよ

気象庁天気種類表では、
空全体がおおわれている場合は、
視程1km以上でも煙霧にするよ

2022年5月8日最終更新

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