山の雪が融ける際、地形の凸凹によって
太陽のあたり加減が異なるので、
均一に融けるのではなく、かなりムラがあります。
そうすると、雪解けの進行中は、
遠くから見る山肌の青黒色と、雪の白色とが、
実にさまざまな形の模様を作りあげます。
それが「雪形(ゆきがた)」と呼ばれる現象で、
農具の形だったり、動物の形だったり、
場所場所でさまざまです。
しかし、山の地形そのものは噴火でもない限り、
そうやたらに変化することはないので、
同じ場所であれば毎年のようにほぼ決まった時期に同じ形の
「雪形」を見ることができます。
「雪形」は、いままで雪の白一色だった
山の雪がある程度融けて姿を表すため、
季節の進行の目安となります。
なので、各地で農作業開始の目安として利用されています。
また、雪形が現れる時期は天候に大きく左右されるため、
雪形出現時期から、今後の天候を予想して、
農作物の豊凶を推測するのにも使われています。
わぴちゃんは、富士山の雪形の撮影に成功しました。
富士山では、北側の8合目付近に鳥の形の雪形が出現します。
これを農鳥(のうどり)と言い、農作業の開始合図にも利用されています。
【写真1〜4】富士山の雪形「農鳥」(2007年6月17日山梨県河口湖町)
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雪形には、そのほかに、白馬岳の「代馬」、
五龍岳の「武田菱」なんかが有名だよ。 |
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