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☆わぴちゃんのブログ☆
草花・昆虫、雲の話題など、
「身近な自然の小さな発見」を
テーマに頑張ってます☆★

飛行機雲【ひこうきぐも】

別名航跡雲
国際通用名 contrail
 略して
---
わぴちゃん流遭遇率・・・★★★★★

飛行機の通過に伴って発生する
線形の雲。人工の雲であるため、
自然発生の雲では表現し得ないような
ふしぎな形へと変遷することも。
飛行機雲は、飛行機の通過に伴ってできる人工の雲です。
飛行機雲には、
コントレール(contrail)
ディストレール(distrail)の2種類があります。

ディストレイルについては、
別項で解説しているよ。
こちらをご覧くださいね

ここでは、コントレールについて解説します。
通常、単に飛行機雲と言った場合は、コントレールのほうを指します。

コントレールは、飛行機からの
エンジンに含まれる水蒸気が、凝結して雲になったり、
また、飛行機通過の刺激によって
大気中の水蒸気が凝結して雲となります。



【写真1】飛行機雲と発生源の飛行機(2007年4月30日・埼玉県羽生市)



【写真2】二重線のように見える飛行機雲(2010年5月5日・石川県加賀市)


低気圧の前面などで、上空の空気が湿っているときは、
雲のもとである水蒸気がもともと多いため、
飛行機雲が発生しやすくなり、また時間とともに太く分厚くなって、
さらにその残骸が長時間残ってふしぎな形の雲に見えることがあります。

この手の雲はしばしば地震雲と勘違いされますが、
飛行機雲が変遷してできたものです。



【写真3】太く分厚くなった飛行機雲(2010年4月13日・茨城県常総市)



【写真4】広がった飛行機雲の残骸(2010年7月18日・群馬県高崎市)


そのことから
「飛行機雲が広がると雨」という
天気のことわざがあるよ。
これは科学的にも的を得ており、
わりと当たることが多いよ。


飛行機雲が発生しやすいのは-30℃以下と言われています。
温度だけ考えると、冬のほうが出やすいのですが、
冬は大気が乾燥しているのですぐ蒸発してしまい、
なかなか見事な飛行機雲には遭遇できません。

空気が乾燥している場合は、隕石の落下を思わせるような
短い飛行機雲になったりします。



【写真5】彗星のような飛行機雲(2006年2月10日神奈川県横浜市)



また、飛行機雲は人工の雲であるが故、その時々の気象条件によって、
自然の雲ではなかなか表現できないような面白い形になることもあります。

例えば、写真6は、飛行機雲から小さな渦の成分が左右に多数出て、
まるで数珠つなぎのようになりました。



【写真6】渦ができて数珠のようにならぶ(2010年1月23日神奈川県横浜市)


また、飛行機雲が太く発達した場合、次第に、
巻雲や巻積雲、高積雲等に変化し、自然発生由来の雲と
同化してしまうこともあります。



【写真7】次第に巻雲や巻積雲へ姿を変えた(2010年7月18日長野県安中市)


写真8は冬型が強まり、上空に強い寒気が
流れ込んできたときに発生した飛行機雲。
氷晶由来のものは、輪郭がぼやけた感じになることが多く、
この飛行機雲も氷晶でできていると考えられます。




【写真8】飛行機雲から氷晶が出てぼやけた感じに(2010年1月7日茨城県坂東市)

写真9のように、飛行機雲に回転成分が発生して、
雲がねじれてふしぎな形を呈するものもあります。



【写真9】巻層雲に写った飛行機雲の影(2009年1月26日千葉県野田市)




【写真10】多数出現した飛行機雲(2010年4月13日埼玉県川口市)

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