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国際雲図帳(WMO刊行)に
掲載されている雲の細分類。

本体の雲に付属して、
「小雲」が現われた状態で、
3つの種類がある。

「付属雲」とは?


付属雲(accessory clouds)は、細分類のひとつで、 
本体の雲に付属するようにできた「小さな雲」のことです。

英名のaccessoryはアクセサリーのことです。
いわば、雲が「小さな雲のアクセサリー(付属雲)」を
身にまとっているようなイメージと考えられます。

雲分類の世界では、付属雲と補足雲形は、
ふつう、あわせて1つの区分として扱います。
分類表上もsupplementary features and accessory cloudsとして、
1つの項目にまとめられています。

付属雲と補足雲形をあわせた区分を、
日本名で副変種と呼ぶこともあります。



「付属雲」の種類一覧

雲分類の「付属雲」は、次の3種があります。
名前のリンクをクリックすると、それぞれの雲の解説ページに飛びます。
名称/
よみかた
略号/
国際名
俗称など
関係する
十種雲形
おもな特徴
頭巾雲
ずきんぐも
pil
pileus
かつぎ 積雲
積乱雲
雲のてっぺんに「雲の頭巾」を
かぶせたような状態。
横にはあまり広がらず、すぐに
形を変えるか消滅してしまう。
ベール雲
べーるぐも
vel
velum
かつぎ
えりまき雲
積雲
積乱雲
雲のてっぺんに「雲の布」を
かぶせたような状態。
横に長くのびたり、厚みを増して、
長い時間出続けることも。
ちぎれ雲
ちぎれぐも
pan
pannus
片乱雲・黒猪
こごり雲
高層雲
乱層雲
積雲
積乱雲
本体の雲の雲底よりも低い場所に
小雲がいくつも発生した状態。
小雲は風でかき乱され、
目に見える速さで動いていく。

表中にある名称は、日本語での正式名称です。

国際名は国際雲図帳に記載されている正式名称です。
この国際名はラテン語表記です。英語ではないので注意が必要です。

略号は、正式名称を簡易的に表記したもので、こちらもよく使われています。

俗称は、該当の細分類に対応すると考えられる呼び名を入れてあります。

「関係する十種雲形」は、付属雲が、
基本10種の雲のうち、どの種類の雲にできるのかを表したものです。

たとえば頭巾雲(pil)は、基本10種のうち、
積雲(Cu)と、積乱雲(Cb)にともなってできる付属雲です。

略号を使った表記方法は、他の細分類と同じで、
「基本10種」+「付属雲」となります。
細分類の特徴が複数当てはまる場合は、
それらを順に列挙して、後ろにどんどんつなげていく形をとります。

【例】積雲(Cu)に頭巾雲(pil)がある場合  Cu pil



十種雲形と「付属雲」の関係

次の表は、十種雲形(基本の10種)と、そこに現われる
付属雲の関係をあらわした一覧表です。

国際雲図帳では、付属雲と補足雲形について、
基本10種のどれに出現するかという表だけではなく、
もう少し詳しい状況について図示したものも掲載されています。
この表は、それをピックアップしてまとめたものです。

















頭巾雲 pil P P
ベール雲 vel P P
ちぎれ雲 pan P U P U
記号凡例
U feature is usual ふつうに見られる
P feature is possible 見られる可能性がある

雲分類の基本的な考えかた
 現在、雲の分類は1975年に世界気象機関(WMO)が刊行した、
国際雲図帳(INTERNATIONAL CLOUD ATLAS)がもとになっています。

 自然に発生するすべての雲は、大きく10種類のどれかに分類されます。
この10種類の分けかたが
類(genera)で、雲分類の基本となっています。
日本では十種雲形などと呼ばれます。

 そして、この基本の10種をもとに、
種(specia)変種(varieties)
補足雲形(supplementary features)付属雲(accessory clouds)
4つの視点から、さらに細かい分類が行われています。


genera
基本の10種類。十種雲形



specia
見た目で特徴的なかたち
変種
varieties
雲の並びかた、厚さの状態を示したもの
補足雲形
supplementary
features
部分的に現われた特徴を示したもの
付属雲
accessory
clouds
親雲のまわりにできる特徴的な雲
※注: 補足雲形と付属雲をあわせて副変種と呼ぶこともあります。


2015年9月27日最終更新
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